確信と自信でマインドシフトしていくことの重要性は理解しているものの「自分や自分の商品サービスには自信がなくセールスも苦手」そういった人が結構多いのではないでしょうか。ビジネスで成果を出すためには「これだったらイケそうだ」と思えるマインドが重要です。僕は、長年にわたりビジネスに深く携わってきた経験から、セールスのあり方については深く熟知しています。この経験を元に、確信と自信によってマインドをシフトし、ビジネスを成功に導く方法について詳しく解説します。
ビジネスにおいてとりわけ重要な要素は、顧客のニーズと一致したもの、つまり顧客満足にあります。顧客満足といっても、なにも特別な演出をするというものではなく、顧客一人ひとりの気持ちに寄り添うことが重要なポイントです。例えば、顧客より一歩先回りしてニーズや問題の解決策を見いだしていくことなど。そうした「気づき」は、自己のマインドに余裕がなければできるものではありません。確信と自信に満ちたマインドを保つことで、その醸し出す一種の余裕が顧客の安心感へとつながり、ひいてはビジネスの成功へと導くのです。
自己のマインドを俯瞰することの重要性
セールスの場においては、常にポジティブなマインドを維持していくことが重要です。ところが、現実には顧客から断られるたびに自信のないセールスマインドに陥ってしまう人が多いのではないでしょうか。そうしたマインドの傾向性を理解した上で、自分自身を第三者の立場になって俯瞰してみるといった作業が重要になってきます。
例えば「お客様に迷惑をかけるような強引なセールスはしたくない」「断られるのが嫌で、クロージングに踏み切れない」「断られる可能性があるから、保留案件をそのままにしている」など。そういった思考に陥った際には「どのような状況下にあって、何がいけなかったのか」その原因を明確に分析しておく必要があります。
また、場合によっては自分のセールスに対する概念や認識を塗り替えてみることも時には必要です。つまり、ものを売らなければといったマインドに陥っている場合には「顧客の悩みを解決するお手伝い」というマインドへ再び舵を切り返してみるといったことなどです。
顧客から受け入れてもらえないと感じたら
セールスの現場において、顧客から自分自身を受け入れてもらえないと感じてしまったとしたら、はたして僕たちはどう対処すべきなのでしょうか?僕たちが事後に行う普段の傾向として、自分を責めたり受け入れられなかった原因を探るなどします。
ところが原因を探している間に、いつしかネガティブな方向に気分が落ち込んでしまうことも多いのではないでしょうか。そうした場合には、確率論に思考を切り替えてみましょう。そもそも全員に受け入れられるわけではないのが普通であり、かのイチロー選手すら4割までは届かなかったわけですから。
セールスを成功につなげれば、いつしか住人になる
顧客が購入を検討する決め手は、必ずしも商品力や競合優位性にあるとは限らず顧客のニーズと一致したものにあります。セールスを成功させるためには、商品やサービスの機能や特徴、強みを知ることも大切ですが、それよりなにより自分自身の自信につながるさまざまな情報のストック、たとえば読書で得られた知識や顧客が欲している業界情報などを常に仕入れておくことが大切です。
また、セールスにおいては「1回は偶然、2回でたまたま、3回やると確信になる」との格言があります。3人に売れれば、そこに共通点(顧客の悩みや願望の共通項)を見いだせ、それを商品にすれば売れると言う経験則です。例えば1か月に100万円売り上げても、それが1回きりだとビジネスをうまくまわしているとは必ずしも言えないわけで「3回も続けば確信に、さらに10回続くとその住人になる(100万円売り上げるのが普通になる)」セールスのプロフェッショナルたちは口をそろえてそう述べています。
つまり、成功体験を何度も重ねていくことが確信や自信になり、そうした確信や自信が期せずして「成功を止めていたマインドがいつの間にか外れている」状況を導くのです。
そこで僕たちは次の問いに対する回答を探し求めていかなければなりません。
- 「成功体験を積み重ねていくにはどうすればいいのか」
- 「ややもするとネガティブに陥りがちなマインドをポジティブなものへとシフトしていくにはどうすればいいのか」
ここからは、心理学の「自己効力感」について触れ、確信と自信でマインドシフトするにはどうすればいいかについて考察していきます。
自己効力感を高めていくことの重要性
僕たちは困難な課題に直面した時、どのような反応をするでしょうか。「自分じゃちょっと無理」と諦めるか「自分なら、なんとかできる」と前向きに捉えるか。ビジネスの成功確率は、後者の方が高くなります。そうした「自分なら、なんとかできる」といったマインドを「自己効力感」といいます。ありのままの自分を受け入れる「自己肯定感」とは異なる概念です。ビジネスを成功に導くにはこの「自己効力感」がとても重要になってきます。
自己効力感とは
自己効力感とは「自分は目標を達成する能力を持っている」という自己認識のことで、スタンフォード大学の教授であったアルバート・バンデューラ博士が提唱した理論です。「自己効力感」の高い人はチャレンジ精神が旺盛で行動力があり、失敗からも素早く立ち直るといったモチベーションを常に維持しています。自己効力感を向上させることによって、職場や個人生活における多くの利点をもたらすことが知られています。
一方で自己効力感が低くなってしまう要因としては、知識や経験の不足、幼少期や過去の環境、自己肯定感の低さなどが挙げられます。知識や経験の不足は、自分にできることはあまり多くないと感じてしまうことにつながります。自己肯定感の低さは、自分の存在価値を認められないことに起因しているため、これらの原因を理解し克服することで、自己効力感を高めていくことが重要です。
自己効力感を高めるための4つの具体的方法
次に、具体的な自己効力感を高めていく方法を解説していきます。
- 成功体験を積み重ねる
自己効力感を向上させる方法は、小さな目標から始めてその達成回数を少しずつ増やし成功体験を積み重ねていくことです。また、過去の成功体験にも気づいていないケースもあるため、過去を振り返りながらリストアップしてみることも有効です。特に、多くの労力や時間をかけて達成した経験は、大きな自己効力感につながります。
- 他人の成功を追体験する
他人の成功を見て自分も成功できると感じることで、自分の能力を高められます。ただし成功の過程を理解し、自分に応用できるかどうかについて評価していくことが重要です。有名人の例を参考にするよりも、身近な人々の成功を参考にすることが重要です。これにより、自分の状況と比較しやすくなり、成功までの道のりを身近に感じられます。
- 周りの人からの言葉に勇気づけられる
周りの人々からの言葉は自信を得るための重要な要素です。一方で批判的な言葉もあるため、ポジティブな捉え方に変換するなど言葉の受け止め方を工夫してみましょう。また、自己評価の際は達成できたことに焦点を当て、自分を褒めることが大切です。自分に語りかける言葉をポジティブに変えることで、自分の能力に対する信頼度が高まります。 - 規則正しい生活を心がける
自己効力感を高めるためには、心身の健康を維持することが重要です。健康維持のためには、睡眠と食事の管理、ストレス対策が必要となります。生活リズムを整え、健康習慣を取り入れることで困難な状況でも気分をリフレッシュし、良好なサイクルを作り出しましょう。
まとめ:確信と自信に満ちたマインドシフトを維持していくことが重要
ここまでセールスにおける「成長マインドセット」の重要性について解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- 自らを俯瞰し「ものを売らなければといったマインド」に陥っている場合には「顧客の悩みを解決するお手伝い」というマインドへ書き換える作業が必要である
- 顧客から受け入れられないことがあっても落ち込む必要はない、野球の首位打者でも打率3割である
- セールスを成功につなげれば、いつしかセールスの住人になる
- 自己効力感は「自分なら、なんとかできる」といったマインドである
- 常に自己効力感を高めていくことが重要である